モリワキエンジニアリング

なぜ鉄パイプを使ったフレームなのか

■MotoGPのあゆみ

GPとモリワキ・その長い歴史

MD211VFはホンダRC211Vの5気筒エンジンを搭載する。フレームは全くのオリジナルで、予想通りクロモリをトラス構造に組んだものだった。

モリワキがこのフレームを選んだのはMORIWAKI MTM-1のときに言われていた熱や強度に対する答えだけではない。200数十馬力という未知の出力を受け止め、それを安全に走らせるだけではなく、モリワキの目指す操縦安定性を実現するために最も効率的だったからだ。鉄パイプの溶接で組んだフレームなら、テストの結果を反映させてすぐにディメンションを変更することができる。一度アルミツインスパーのようなフレームを作ってしまうと、キャスターやエンジン搭載位置、スイングアームの設定を変更することは全面的な作り直しを意味する。モリワキは初めての挑戦で、まず自らが持っているマシン造りのノウハウをベースに、200数十馬力と320km/hの世界を見据えて、細かな修正をしながら勉強する手法を採ったのだった。

MD211VF:RC211V用HRC製V型5気筒MotoGPエンジン+モリワキ製シャーシ